為替レ-トを動かす要因は何か?
外国為替市場で取引に参加する人は、様々な要因を考慮したうえで、通貨を売るか・買うかの判断をします。通貨のレ-トは突き詰めますと、通貨の需給バランスによって決まります。では、通貨のバランスを左右するのはどのような要因か考えてみます。
まず景気との関係です。その国の景気が良いと買われ、悪いと売られます。景気が良い国には、直接投資・間接投資を問わず、資金が流れ込みます。その国に投資チャンス、ビジネスチャンスがあり、株式も値上がりすると投資家は考えます。よって、その国の通貨は買われます。逆に景気が悪い国からは資金が流出しやすくなります。バブル崩壊後日本に魅力を感じなくなった投資資金は、海外へ出て行きました。簡単にまとめますと、「景気回復は円高になる」、「景気低迷は円安になる」という関連性があります。
次の要因は、金利です。日本と諸外国の金利差、内外金利差が為替に影響します。単純にはお金はより高い金利の国に向かって流れます。その結果、円を売ってドルを買うので、円安になります。しかし金利水準が高い国は信用度が低かったり、インフレのこともあります。金利の高い国にはそれなりの理由があります。したがって、内外金利差が大きくても、実際に高金利国へ資金がシフトするには、景気などのファンダメンタルズやカントリ−リスクなどの要因が複雑に絡んできます。内外金利差の比較は名目金利ではなく、実質金利(名目金利−インフレ率)で見ることが大切です。
最後に物価が関係します。結論は、物価上昇の激しい国の通貨は売られ、物価の安定している国の通貨は買われやすいことです。物価上昇の激しい国は、その分貨幣の価値は目減りしているのです。両国間の物価水準の差から、適正な為替レ-トであるかの参考にするのは「購買力平価」を見るのも一つです。
その他為替レ-トを動かす要因には、株価、経常収支、国際紛争、為替介入、国際会議、その国の政策などがあります。変動要因を9つ上げましたが、その時の情勢で為替に影響を与える要因は異なってきます。臨機応変に対応することが大切です。